日本とイギリス

 私にとって不思議に思う事があります。日本と英国の共通点である大陸の端にある島であることと、民族についてです。 
 日本は上手く天皇家の歴史を「勝てば官軍」で書き換えて、長い年月をかけ、すべて天皇家の血筋との混血かのように歴史を捏造してきたため、大陸の端にある流れ者たちの島で他民族国家なはずなのに「日本民族」という実態のない民族を仮の定義としています。 
 しかし、英国は、最初にフランス・ブルターニュから来たケルトのブリテン人のウェールズ、同じようなケルト人たちの一派か?ドイツ系の言語族が大量に混じったと思われるゲール人たちのアイルランド(ここは独立国で、英国ではないですが・・・。)、そのゲール人にピクト人たちが多く混ざった?北アイルランド、そのピクト人たちに近いスコットランド、先住のブリテン人たちを追い出してアングル人・サクソン人等のゲルマン人が占領し、更にそれをフランス北部から来た別種のゲルマン人のノルマン人が占領した中心国イングランド・・・と、人種が混じりながらも「どこから来たのか」がはっきりした国です。 
 あくまでも英国は、占領王権と民族国家は別のものとして存在し、各北アイルランド・スコットランド・ウェールズはイングランドの下にありながらも、独自の言語や文化を築き続けているのですが、日本は、民族が敵対して戦った形跡は若干見受けられますが、負けると常に民族としても戦勝国の民族に組み入れられていくという歴史だったような感じがします。 
 この違いは一体どうしてなのでしょう? 
答えは「プライド」ではないかと思うのです。
 ブリテン人を例にとってみると・・・、大雑把に言えばブリテン人は負けっぱなしの民族ですが、たまに独立できると「アーサー王」のようにヒーローとなり、民族の誇りを持っています。最初はローマに追われて占領され、諸民族の中で一番強くローマの影響を受け、その後は独立したものの、今度はゲルマンのアングル人・サクソン人に狭い地域に追われ、最終的にはノルマン人に占領され、イングランドに組み入れられます。大体にして、ブリテンとはローマ人が呼んだ呼び名で、バルバロイとかベルベルとかと同様の「原住民・野蛮人」という意味だそうですが、彼らはその言葉もウェールズ語として今も持ち続け、ローマ的な文化を好み、ウェールズの国旗さえ持っているのです。その国旗は言い伝えによる竜の神話がモチーフされ、赤い竜(ブリテン人)は白い竜(アングル人・サクソン人)に打ち勝つというもののようです。それら国旗は各民族の誇りであり、逆境にも屈しない民族意識そのものを物語っているように思います。
 イングランドがサッカー等のユニフォームでも白のイメージがあるのに対して、ウェールズは赤、スコットランドは青という国旗そのもののイメージがあり、そのすべてのデザインを含めたユニオンジャックの旗は、白地に赤十字のイングランド・青地に白い×のスコットランドを混ぜ合わせたデザインで作られているのです。それぞれの民族が、力で屈しても心は絶対に屈しない・・・それが誇りであり、英国民族のアイディンティティだと感じます。
 残念ながら、「強い者にはまかれろ」「勝てば官軍」の日本人である私たちには、プライドとは単なる財力を利用した「偉さ」でしかないように感じます。独立した自分自身の民族意識に乏しいのです。
 そしてやっと本題に入りますが、グレートブリテンは、いわゆる大字・小字と似ていて、大字ブリテンはウェールズ、小字ブリテンはその発祥地であるフランス・ブルターニュ地方と言われていますが、なぜ、長い国名の省略形を言うときに、「グレートブリテン(GB)」なのか・・・です。(当然、UKと言われる事も多いですが、GBの方もそれ以上に多い気がします。)イングランド語のイングリッシュを国語として、大多数のアングル人・サクソン人の中にあって、ノルマン人の征服王朝が中心なのに、どうして一番負け組のブリテン人の名称「グレートブリテン」が最初に来る名前なのでしょうか???
もしこれをアメリカに置き換えれば、「チェロキー王国」とか「北インカ帝国」とか言っているのと同じような気がしてしまうのは私だけでしょうか。。。
 なので、私なりに解釈することにしました。イギリスは「けっしてプライドを捨てない根性のブリテン人たちを土台とした地に育まれた、様々な民族の、ある時は一致し、ある時は分立する、イングランドを中心とした統合王朝国家」とイメージすることにしました。
 日本は、大正デモクラシーの頃、たぶん、とてもイギリスに憧れ、その文化を一番多く受け入れたのではないでしょうか。亡くなった祖母に話を聞くと、昭和よりもずっと自由でロマンに溢れていていい時代だったと言っていたのを思い出します。マッカーサーが日本の方向性を定めるときに、一番ポイントと感じたのが、日本の知識人たちのイギリスへの憧れだったとも本で読んだことがあります。
 簡単に世の中の流行に乗って自己を失ってしまったり、自分の意見を持たずに他人に同調したりしてしまうのは、変わらないものを愛する自己のポリシーが欠乏しているからではないかと思えます。
そう、私たちに必要な事は、ブリテン人魂ともいえる「本物のプライド」なのではないでしょうか。


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