Design and Name
 

 様々な雑誌やnetの情報によると、「ローバー75」の名称はこのクルマがはじめて付ける名称ではありません。 
ローバーには、P4〜P6という輝かしい1960年代の全盛期を飾ったクルマたちがいましたが、その最初を飾ったP4というクルマのうち、1950〜1959年に発売されていたものが75馬力であったために、「ROVER 75」と名付けられていたそうです。(個人的には、古いクルマでは、エリザベス女王のプライベートカーP4よりも、モナコ王妃グレースケリーが乗っていたP5クーペの方がデザイン的に近いイメージを感じますが・・・。) 
 そう考えると、この二代目ローバー75はそのクルマのレトロレプリカ?とも思われそうですが、そうではありません。 
 解説等によると、要約すれば、後輪の足回りやパーツ数点についてはBMWの力を借りながらも、「大金をかけてローバーらしいクルマを数十年ぶりに完全自主開発し、過去のローバーらしさにこだわりながらも、けっしてレトロを目指したのではなくブリティシュネスにこだわった結果のスタイルであり、現代のDセグメントの中心となり得る英国のクルマを目指した。」とありましたから、自社の運命を賭けて「あの栄光のローバー75(P4)に続く、P5〜P6の栄光をも継承する、現行ローバー600と800を統合したモデルとして、あくまでも今の中型車の名車を作ろう。」という気持ちの表れだったのだろうと感じます。 
 どこにも書かれてはいませんが、私には古いローバー車それぞれに似ているイメージがあることを感じますが、それだけではなく、直近のモデルだったローバー200・400・600のデザインにも通じているように感じます。特に400については、ヒップラインやノーズの前傾角度、全体的なシルエットについても、デザイン的には姉と妹のように似ているように感じます。事実、その後の400の後継である45は、英国本国仕様の最後期型の内装などを見ても、ミニチュア75のイメージがないと言っては絶対にウソだと感じます。それから、他の車種にないツアラー(ステーションワゴン形状)が存在する共通点も・・・。 
 1960年代イメージは栄光のレトロな過去であり、長く続いたホンダのコンポーネンツ供給時代である直前の時期に築いたデザインの良さも持ち、数段上品にランクアップしたシャーシやエンジンにより、CセグメントでベンツやBMWでは味わえない最高の英国車の味を作ろうとしていたのだと・・・。 
 1999年、「世界で一番美しい」と世界が認めたクルマ、日本でも「最も優れた輸入車」と言われた名車は、不遇の運命により、親である英国唯一の量販自動車製造会社とともに2005年にその生涯を終えました。 
 しかし、不遇の名車は不朽の名作でもあると私は思っています。 
なにしろ英国車は、最新鋭のエンジンスペックや流行のデザインが売り物ではなく、「古くなるほどに、オーナーの人生とともにその美しさを増していく。」という他のクルマには持ち得ない最高の性能を持っているのですから、「世界が認めた世界で一番美しいクルマ」は年齢を経るごとに、他のクルマたちとの美しさの違いを見せつけてくれるでしょうから・・・。


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